▷ one point:好きな曲は歌う練習をする前に、まず何度も繰り返して聴く必要があります。それと同じ、会話ができるようになる前にまず耳に慣れさせることが重要です。聞き取れない単語があったら頭の中で意味を当てながらナレーションを聞くと、記憶が一層深まり、より早く日本語耳になれます。
【朗読発声 短文2回リピード】
▷ one point:音声に続いて発声練習をしてください。好きな歌手の曲を練習する時と同じように、発音やイントネーションが少しでもナレーションに近づくように数回練習しましょう。声を出して練習すると効果的です。step1で分からなかった単語は原文と照らし合わせながら自主的に調べるとより印象に残りやすいです。
【仕上げ 字幕付き1回再生】
▷ one point:いよいよ仕上げです。カラオケで歌を歌う時の様子を思い浮かべてください。字幕についていけるように何回か朗読練習しましょう。
》次へ 第97課
《原文》
面接官:本日は当社にお越しいただきありがとうございます。早速ですが、まずは簡単な自己紹介をお願いします。
ハン:はい。ABC大学から来ましたハンと申します。本日はよろしくお願いいたします。
面接官:ありがとうございます。エントリーシートを見ると日本には大学時代から来ているようですね。日本に来て困ったエピソードについて教えてもらえますか。
ハン:はい。日本に来て一番困ったのは、コミュニケーションの部分です。日本では「本音と建前」がありますが、来日してしばらくはそれが理解できておらず、言われたことを額面通りに受け取ってしまい苦労したことを覚えています。大学の教授が「困ったことがあれば何でも言ってくれ」とおっしゃられたので、本当に困ったことがあれば何でも相談していました。水道が詰まってしまったときにも教授に相談してしまっていたのです。相談したところ、それは私に相談することではない、と少し怒られてしまいました。
面接官:なるほど。それは確かに日本ではよくあることかもしれませんね。日本と外国の文化の違いでも特徴的な部分かもしれません。それでは、日本に来て嬉しかったエピソードはどうでしょうか。
ハン:今お話しした内容に近い話ではありますが、日本ではコミュニティに入り親しくなればなるほど、とても親身に接してくれると思います。先程お話しした教授も、大学に入りたての頃には水道が詰まってしまったときに相談して怒られていましたが、大学4年になる頃には似たような相談をしたときに本当に対応してくれたことがありました。住んでいるアパートの電気が切れてしまったことを相談したときに、わざわざ交換しに来てくれたのです。
面接官:それは面白いエピソードですね。ただ、その教授の方は日本堅気な人なのでしょうね。最後に、あなたを採用したら、弊社にどんなメリットがあるか話してもらえますか。
ハン:もし私を採用していただければ、御社の外国人労働者と日本人労働者の間のコミュニケーションの架け橋になることができます。御社は今、外国人の採用に力を入れていると理解しています。この点、外国人労働者を採用した場合には、文化の違いなどから、まずコミュニケーションが問題になるものと思います。大学時代の私のように、です。言語の違いもそうですが、私は文化の違いも理解できていますので、お互いの認識のすり合わせを行い、御社の外国人労働者と日本人労働者の間のコミュニケーションの架け橋となりコミュニケーションを円滑にすることができると思っています。
面接官:ありがとうございます。よく分かりました。結果は改めて通知するようにしますね。
ハン:お時間いただきありがとうございました。